雑誌「歯科技工」を読んで

Moritan-NET・Top > もりた歯科・Top >技工室TOP >雑誌「歯科技工」を読んで


更新日:2003年1月3日
◆過去の記事(2000年12月号〜20001年12月号まで)

歯科技工12月号 P1530〜1533

「咬合採得」を読んで。

咬合採得材にはワックス、酸化亜鉛ユージノール、弾性印象材、石膏、レジンなどがありますが、ほぼ一般的にワックスが使用されていると思います。ワックスバイトの注意点として、ワックスでは軟化が不十分だと抵抗で顎位が偏位する可能性や咬合時に完全に噛みきれずに上下顎間にスペースができてしまう可能性があります。その為、ワックスは十分に軟化してしっかりと噛み込んでもらうことが必要です。あまりバイトワックスに頼りすぎないように咬合の痕跡やファセットで上下顎を合わせるようにして、口腔内セット時の調整を少なくしていけたらと思います。
技工士Y2002/12/28

歯科技工12月号 P1628・1629

知っておきたい・得・キーワード 義歯が変わる感染症と口腔ケア

義歯表面にはさまざまな細菌が集まり異なる種類の細菌がお互いに絡み合い結びついた共同体として存在し、その共同体をバイオフイルムという。バイオフイルムによって義歯性口内炎・肺炎・胃潰瘍・糖尿病の悪化等を引き起こす。65歳以上に至っては死亡原因の第1位は肺炎であることから考えても義歯使用者の口腔ケアが不可欠であることは誰の目にも明白です。歯科医療従事者が確かな知識に基づき各種器具や薬剤を使用して行うプロフェッショナルなケアが病気の発症率を低下させる事が出来ることからも患者さんへの訴えが大切だと思いました。
技工士N2002/12/27

歯科技工11月号P1420〜P1432

File15 健康を作り出す総義歯治療 ー治療用義歯の可能性を示唆する一症例ー

患者さん自身が不満を具体的に認識していなかったり、表現できなかったりしている事が多い。と、言うことを念頭に置いて、「患者さんが何も言わない=不満がない」 ではなく、パイロットデンチャーでの治療を進めていく中から患者さんの不満や要望をくみ取る姿勢を持ち、又、機能・形態ともに満足された義歯が患者さんの精神的・肉体的に及ぼす大きな効果を認識し少しでも患者さんにとって快適な義歯をつくれるようになりたいせす。
技工士N 2002/12/04

歯科技工11月号

「シェードテイキングについて」

シェードテイキングを行う際のポイントとして最初に見た時の第一印象が大切とされていました。確かに一度シェードを迷うと最後まで迷ってしまう事があります。あまり深く深く悩まず自分の直感を信じるのも大切なことだなと感じました。
技工士Y 2002/11/30

歯科技工10月号 P1312〜P1322

パテ状デュアルキュア型レジンを用いた間接法による義歯修理

広範囲の増歯・増床などの修理を可能にしたパテ状コンポジットレジンの詳しい操作の仕方がこの章では紹介されていますが、現在私は広範囲の修理でもこのレジンではなく即時重合レジンを使用しています。理由は単純に臨床で使用するには高価すぎると言うことだけです。操作性が良くても思い切って使うことができません。
技工士N 2002/10/31

歯科技工10月号 P1264-1267

「x線を歯科技工士に役立てる」を読んで。

歯牙の齲蝕や歯周病の程度を知るためにx線写真が利用されています。私たち歯科技工士は支台歯形成された模型から情報を読み取り補綴物を製作していますが、歯肉下の状態(歯根の方向や長さ)が分からない事があります。ポストコアの場合、印象を見てもポスト部がきちんと印象されているのか、ポスト部が適合しているのか肉眼で確かめることは困難です。そんな時x線を利用して確認することはとても有効な利用方法だと思いました。
技工士Y 2002/10/30

歯科技工9月号P1170〜P1179

「歯科技工感想文第20回最終義歯の歯肉形成から重合まで」を読んで。

咀嚼や発音、嚥下などの機能がスムーズに行える為の形態がどうあるべきかは患者個々のじょうきょうによって大きく違う。近接した者から口元を見られたときには細かい部分まで見えることになるので、より自然な形態の付与が必要。これらの付与にはスマイルラインやスピーキングラインを正しく認識することが大切。口腔内を有歯顎時により近づける為には正しい印象、正しい咬合採得、正しい義歯の設計が不可欠。以上のことをふまえつつ、少しでも患者さんに喜んで頂けるものを創っていきたい。
技工士N 2002/09/30

歯科技工9月号P1187〜1190

「歯科技工士として初のネパールNGO活動奮戦記」を読んで。

日本では歯が抜けたり、痛くなれば歯科医院に行って治療を受けるのが普通ですが、ネパールではその様な習慣はなくネパール国内で人口2000万人に対して歯科医師は50人程度しかいないという状態と歯科医師免許がなくても歯科治療を行う事が出来るという事を知って驚きました。
日本では技工士は患者さんの口腔内を触ることは出来ず、患者さんの顔を見ることや補綴物がセットされた状態を見る機会はほとんどありません。今回のNGO活動での義歯製作は言葉は通じなくても歯が入った時の患者さんの笑顔は技工士にとってこれからの大きな励みになったのではないでしょうか。これからも活躍していってほしいです。
技工士 Y 2002/09/27

歯科技工8月号P1018〜1021

『支台歯形成その1』

先月号から始まった掲載ですが、とても分かりやすく説明されているので毎回読ませて頂いています。今月は支台歯形成について掲載されていました。
補綴物が脱離しにくい形成のポイントとして、保持力は基本的に支台歯のテーパーに左右されるので、テーパーが小さすぎると装着時に浮き上がりやすくなり、逆にテーパーが大きすぎると脱離しやすくなってしまう。テーパーの大きい支台歯もグルーブを入れることにより着脱方向が制限されるので、回転に対する抵抗力が増し、脱離しにくくなる。技工士は形成に直接触れることはありませんが、臨床上の知識として押さえておくには必要なことだと感じました。
技工士 Y 2002/07/27

歯科技工8月号P1068〜1073

協力隊参加決意〜派遣活動開始

女性技工士のネパール歯科医療協力隊に参加した際のレポートを楽しく読ませていただきました。材料や器材が揃わない地域での義歯製作に挑戦された苦労などもあったようですが、ネパールの方々の心待ちにしてくれている気持ちが不安から解放してくれ、やる気がわいてくるなど筆者のネパールでの取り組みが充実したものであったようです。食生活や生活習慣のせいで口腔内は日本人とはかなりの差があるようですが、子供達の中には口腔衛生の行き届いている子も沢山いるなど、どの国でも子供にはよりよい生活をと、願っているようです。次の義歯製作の実際の取り組みのレポートも楽しみにしています。
技工士 N 2002/07/27

歯科技工7月号P896〜P907

condyroform人工歯による本義歯の臼歯部排列

排列の原則は「個々の人工歯の咬合面がその直下の顎堤の耐圧面に対して平行関係となる様にする」個人々々によって顎堤の吸収、対向関係が違うので、その状態に合わせた人工歯の排列、それだけではなく、人工歯の形態の修正、人工歯の入れ替えなど、一歯、一歯の人工歯の咬合面をいかに顎堤の構造や形態に調和させるかが、大切。
技工士 N 2002/07/31

歯科技工7月号 「印象材の変形」を読んで

今回印象材の変形について、印象採得時の大切な注意点が紹介されていました。

1、支台歯をよく乾燥させること。
2、印象材を素速く練和して、弾性が発現する前に口腔内に圧接すること。
3、支台歯付近の印象材の厚みを均一になるようにすること。
4、印象材が完全に硬化するまでトレーが動かないように保持すること。
そしていかに良い材料を使うかではなく、いかにその材料の特徴をつかんでうまく使いこなすかが重要とされていました。
日常、模型では合っているのに口腔内では合わない。ということはよくあることではありませんが、補綴物の再製は歯科医師、歯科技工士、患者さんの誰もが嫌なことであると思います。そのためにも使用する印象材の特徴をよく把握していきたいです。
技工士Y 2002/07/30

歯科技工6月号 P701〜P722

磁性アタッチメントにより変わるパーシャルデンチャーの設計概念、製作

支台に優しく維持力の減衰、審美性にも優れている磁性アタッチメントはこれからの義歯設計に大切な材料ではないでしょうか?磁性アタッチメントの最大の優れた特性は「把持なしで、維持力が発現する」ことです。しばしば、臨床で磁性アタッチメントを使用することが望ましいケースに出会うのですが歯冠を落とさなければならないこと、費用の問題がネックとなり、患者さんの同意が得られないことがあります。
これからの課題は磁性アタッチメントの機能を最大に引き出す使用法と、患者さんの賛同を得られる説明力を身につけること
技工士N 2002/07/01

歯科技工6月号P724〜732

「新義歯製作後の顎位の変化と発音障害に対し治療義歯を用いて対応した症例」

今回紹介されていた症例は普段よくあるケースだと思いました。患者さんの義歯に対する要望も「痛くなく外れにくい義歯」と、いった要望でこれはどの患者さんも義歯製作時に共通する要望であるのではないでしょうか。
では、どうすれば「痛くなく、外れにくい義歯」が、作れるのか?本稿にも書かれていましたが、それには先ず治療用義歯を用いて患者さんの声を聞きながら時間と観察を重ねることによって,初診時には明確では無かった原因も次第に見えてくるように思います。ここで紹介されていた症例も義歯完成までに1年掛かったそうですが、患者さん自身も満足できる義歯が出来て喜んでおられるそうです。
時間がかかったとしても結果的に患者さんに満足してもらえる義歯を作ることが大切なことだと改めて感じました。
技工士 Y 2002/06/26

歯科技工5月号 P654〜661

パイロットデンチャ−の情報を立体的に複製するワックスデンチャ−の製作

さまざまな悪条件から無歯顎となりよくない習慣が積み重ねられた患者には、充分な時間とよりよい技術を伴った処置を加え、健康を回復させさらに向上させる事である。そのためにはパイロットデンチャ−を製作して義歯を使用しながら病気を治療し、より快適になるように調整していく方法が必要になるでしょう。総義歯の基本は「維持力と支持力」をいかにして印象に採り込むかということで、その為には基本に立ち返って「独創性」「創造性」「技術」を向上させることが大切。
技工士 N 2002/05/27

歯科技工5月号

「平成14年度歯科診療報酬改定の概要」を読んで

今年4月から歯科診療報酬改定が実地されました。改正の一部ですが、従来義歯の強度補強として補強線を入れていましたが今回から補強線の点数が廃止され、さらに歯冠修復関連で驚いたのが単冠の場合、大臼歯の4/5冠の請求が出来なくなってしまった事です。今回の保険改正には理解に苦しい箇所が多すぎる気がします。また、今後の歯科医療業界の未来に不安さえも感じました。
技工士 Y 2002/05/14

歯科技工4月号感想文

リベースが可能な上顎金属床総義歯の構造・設計と臨床金属床は、次のような優れた特性を持っている

○維持力が強い
○咬合の変位が少ない
○咬合痛が少ない
○義歯破損を防げる
○患者が装着していて快適である
○熱の伝導性がよい
○咬合堤として安定している
○口蓋部分が薄いので発音の障害が少ない
○残存歯槽堤の保存性がよい
○気泡がない
○下顎運動時の変形が少ない
○顎堤の再現性が正確である
その一方で金属床には次のような欠点もある
*費用がかかる
*リベースができにくい
*義歯の重量が重くなる
金属床の最大の欠点が「リベースが不可能」なことです。
経時的骨吸収変化の大きい部分(歯槽堤部分)をその変化に対処できるようにリベースが可能なレジン床にし、経時的骨吸収の変化の少ない口蓋安定領域のみを金属床で被うようにする事でリベース可能な金属床フレームの設計が可能となります。
技工士 N 2002/04/29

歯科技工4月号 P464〜472

最終印象直前に破折したパイロットデンチャーから得られた情報を最終義歯製作に生かした症例

普段、義歯の修理は口腔外で間接的に修理を行っていました。今回、歯科技工ではパイロットデンチャーが破折して分割された状態のまま口腔内で直接レジンを筆積みで盛り上げていく方法が紹介されていました。この方法で修理することにより修理後、パイロットデンチャーを用いて最終印象する事で左右の顎堤部が十分に加圧された状態で粘膜面を印象採得する事ができる。また咬合力が加わった状態で適合が良ければ、顎堤全体で咬合力を分散できるので今後の義歯破折の防止にもつながる。パイロットデンチャーから得られた情報を正確に読みとることによって義歯は自分の身体の一部と言えるほどになるそうです。改めてパイロットデンチャーの大切さを感じました。
技工士Y 2002/04/23

歯科技工3月号 P352〜360を読んで 

第14回 治療用義歯に用いる人工歯の選択と排列の基準、
       および最終義歯製作中に患者が使用 する複製義歯の製作

「咬合と印象は“連続している”もの」咬合面と粘膜面顎関節やそれらを含んだ顎口腔系における問題はほとんど咬合に関係してくる患者さんにとって、より適正な位置は時間的経過を待ってその位置まで移動調整を加えていかなければならない。
時間的な経過を診ることができる 治療用を活用する事は失敗無く治療を進めていく上で有意義かつ効果的治療用義歯に適した人口歯は位置変化に対応できる形状(モノプレーン、フラットテーブル)最終義歯製作中に患者 さんに使って頂くコピーデンチャ−を治療用義歯よりおこす、数ヶ月かかって粘膜咬合調整された治療用義歯は患者さんの情報が豊富で、その情報を技工士は充分に読み取り、活用することが大切。
技工士 N 2002/03/27

歯科技工3月号P339〜348を読んで 

マウスガード製作時におけるヒーティングガン使用によるEVA/MG21の確実な接着

マウスガードはスポーツ時における外傷予防、脳震盪の予防、歯の摩耗の予防、運動能力の向上の目的があると一般的に広く認識されています。マウスガード製作に大切なのは選手一人ひとりに合った 適切な咬合状態で違和感無くしっかりクレンチングが出来る状態で製作しなければなりません。今回、歯科技工で紹介されている方法は個々の選手にとって適正なクリアランスのもとで製作するとマウスガードのシートは2枚、3枚重ね打ちが適切だとされています。しかし、複数のシートを重ねる ということは、その間の接着が強固でないとすぐに剥がれてしまうおそれがあります。そこで筆者らは普段から使用しているトーチバーナーとヒーティングガン でEVA/MG21シートの加熱を温度を変えて行ったところトーチバーナーでは接着力は得られず、ヒーティングガンを使用した場合は実験したすべての温度において接着力がみられたそうです。トーチバ ーナーは接着力が得られないだけでなくEVAシートにおいては火炎による材質の劣化が激しくシート 表面の劣化を促進させてしまうため行うべきではないと分かりましたが、シートに熱を加えることで マウスガードの適合性には問題は起こらないのかと思いました。
技工士 2002/03/26

歯科技工2月号 p139〜147 口腔ケアの時代

非常勤として特養老人ホームに勤められた間に歯科として感じられた事、又実践された口腔ケアの取り組みについて書かれています。口腔ケアを続ける事によって職員の自信ややる気が高まり、患者さんの明るさや健康の向上、口腔ケアは口だけのことではなく身体全体に与える影響の大きさを改めて実感しました。
技工士 N 2002/03/01

歯科技工2月号P264〜271 第25回全国障害者技能競技大会(愛称:アビリンピック

歯科技工で初めてアビリンピックを知りました。 15名の参加選手が擬似患者モデルのメタルボンドブリッヂをオペークから仕上げまで行う競技大会でその場でモデルのシェードテイキングを行い要望にあった補綴物を製作するのですが、色調に白帯などを入れて小細工する選手が多かったそうです。大切なのはいかに患者の希望する色調に近づけるかで、たとえ製作者本人がうまいと思っていても最終的に採点をするのは、患者自身であるとあらためて感じました。
技工士 Y 2002/02/28

歯科技工1月号P3〜P13  医療がやさしさをとりもどすとき。

直接技工には関係のない話なのですが、長野県茅野市、諏訪中央病院の管理者鎌田實先生の諏訪中央病院での取り組みの歩みが書かれていす。病院を患者さんを管理するのではなく病気を治そうとする力を引き出してあげる場にという願いをいつも心に置いておられて自分が先頭に立って行動されているので、病院の隅々まで浸透している様子が思い浮かびます。患者さんが何気なくいった一言「僕はもう来年生きて桜を見る事はないだろうなぁ」とたまたま聞いた看護婦さんが、この話をナースステーションで先輩にし、先輩が患者さんを花見に連れて行けるように段取りをしたのですが、患者さんは花見に行けたうれしさもさることながら自分の言葉を真剣に受け止めてもらえた事がうれしかったと先生に話されています。私も医療の仕事に従事する者として、やさしさを忘れずにいたいです。
技工士N 2002/01/28

歯科技工1月号  「新世代マウスガードに求められる“咬合”の要件」P53〜P73

近年、スポーツ中のマウスガードの装着はスポーツを問わず重要視されるようになってき ています。マウスガードを装着することでスポーツ中での外傷の予防、脳震盪の予防、歯 の磨耗の保護、さらに自分の持つ運動能力の最大能力の発揮にもつながると思われていま す。ただし、この効果を発揮できるマウスガードは、装着して苦しくない、適合性が非常 によい、しっかり噛みしめることができるマウスガードであり、特に咬合の位置づけがし っかりしていなければスポーツ中の集中力低下、頭痛、吐き気、めまい、運動能力低下、 全身のバランスの崩れ、持続能力低下などが起こり本来自分の持っている運動能力を発揮 させることはおろか、運動を持続することすらできなくなってしまうことにつながります 、この様なことが起こらない為にマウスガードは歯科医師による適切な咬合採得のもとで 製作することが一番望ましいと思います。私達、製作者側も材料の性質をよく把握して、 製作していきたいと思います。
技工士 Y [2002/01/27(日)22:25:41]

All content and design copyright 2001 byもりた歯科dcmorita@moritan-net.com