歯の雑学


 



☆ デンタルハイジーン3月号
見えない力を診る!
「ブラキシズムのタイプとその特徴」を読んで

それぞれの「力」の発現する状況、部位などが異なり、特徴と判別方法を知っておく必要があります。...
・クレンチング
咀嚼などの機能する時以上の力を出して噛みしめること。
クレンチングの影響は、特に後方の大臼歯に現れることが多く、摩耗は少ないながら、咬頭が破損したりしています。咬合支持歯(噛み合っている歯)が後ろから喪失していたり、歯槽骨堤の膨隆や上顎正中口蓋部、下顎舌側部の骨隆起が顕著な症例もクレンチングが疑われます。

・グラインディング
一般的に動かす範囲(機能域)以上に顎を前方や側方へ回しながら動かす。
前歯切端が平に磨り減り、歯が摩耗していく中、歯よりもすり減りにくいインレーが脱離することがあります。摩耗が進行すると歯冠が短くなり、歯列全体が平らな咬合面になり、進行がひどいものでは歯髄が失活してしまうこともあります。

・ナッシング
機能運動の範囲を超えて、キリキリと音を立てて軋ませながら動かす。
上下の犬歯の尖頭同士を軋ませ、摩耗させている症例がよく見られ、摩耗面を観察したときピカピカに光っていれば現在も軋ませている運動が続いてtる事が疑われます。

・覚醒時のブラキシズム~歯列接触癖(TCH)~
上下の歯を持続的に接触させる癖によるもので、顎周囲の筋肉の疲労や口が開きにくいなどの筋肉の緊張が、日中の覚醒している時の咬み合せの癖によって起きることが分かってきています。
舌や頬の圧痕も特徴的な兆候で、上下の歯が接触する程度の弱い力でも顎やその周囲筋の緊張・疲労が生じ、顎関節症状を訴えます。

異常な習癖を抱える症例の徴候を見つける目を養っていきたいです。
 歯科衛生士 O  160330

☆ デンタルハイジーン2月号

 「いま気になるKeyWard~フレイル~」を読んで

フレイルという言葉を知っていますか?

 英語の「Frail」は弱い、虚弱な、病弱な、などと和訳されます。

 近年、高齢者は突然要介護者状態になるのではなくその前に虚弱状態を経ることがわかってきました。この虚弱状態を「フレイル」とよび予防の重要性が高まっています。

 適切な運動と食事を心がければフレイルを予防でき要介護者に陥るのを防げる可能性があります。

 また噛む力や舌の動きなどの口腔機能の加齢による低下をオーラルフライルといいます。これにより食べることができないものが増えたり食事の量が減ったり食欲が低下することでバランスの良い食事を摂ることができずに、低栄養に陥り要介護状態を招くことになります。

 オーラルフレイルの予防が全身の健康につながるんですんね。

  歯科衛生士は来院される高齢の患者さんに対して口腔内の観察だけではなく、毎日の食事状況などをお聞きしながらむせや食べこぼしの有無を確認したり口腔機能(食べる力)のわずかな低下に気づくよう努力することが大切です。

”食べられる口腔”の維持をサポートすることで全身のフレイルの予防に貢献していきたいです。

        歯科衛生士K


この時期流行するインフルエンザですが、お口の中から感染することがあるということを認識できていますか?

  インフルエンザには接触感染と飛沫感染の2種類があります。例えば、インフルエンザに感染した人がくしゃみや咳をしたときに手で押さえその手で周りのものに触れ、別の人がそのものに触れたその手で鼻や口などを触り粘膜から感染する。これを接触感染といいます。また、インフルエンザに感染した人が、くしゃみや咳で唾液などと一緒にウイルスを放出することで、他の人が鼻や口から吸い込み感染する。これを飛沫感染といいます。このように接触感染、飛沫感染ともに鼻や口から感染するのです。
 特にうがいや歯磨きをあまりしない人は、口腔内が不潔になっているので、虫歯や歯周病になる菌が増殖してそこにインフルエンザウイルスが混じり、停滞しやすくなるという説があるそうです。健康なお口であれば唾液などの自浄作用が働きますが、口内が不潔だったり、免疫力が低下している時はその機能が低下します。
 インフルエンザを予防するには、手洗い、うがい、予防接種を受けるなどが代表的ですが、1日3回の歯磨きの徹底、歯科医院でクリーニングしてもらうなど口内を清潔な状態にしておくことも、インフルエンザを予防する対処法として大事なことではないかと思います。インフルエンザ予防のためにも、自分自身の歯が虫歯にならないためにも、毎食後の歯磨きを心がけるようにしましょう。もし、忙しくてどうしても歯磨きができない場合は、うがいだけでもするようにして、少しでも口内を清潔に保てるようにしましょう。

歯科助手I


  デンタルハイジーン1月号を読んで

   診療室で出会う摂食嚥下障害
       ~診療中にむせる~

「摂食嚥下障害」というと、なにか特別な病気のように思われる方も多いのではないでしょうか。
 脳梗塞などの病気の後遺症等なくても起こりうる“口から食べる機能の障害”の事をいいます。
 摂食嚥下障害には、義歯が不適合でうまく食べられない方も含まれており、ある調査では「地域の高齢者の約16%は摂食嚥下障害」という結果もあります。
 歳を重ねると、頭頸部の筋力の低下なども生じて“食べる力”が低下してしまいます。

食べられない ← さらなる筋力低下を生む

↓           ↑

栄養状態が悪くなる →活動量が減る

 このように負のスパイラルが続くと、誤嚥性肺炎で入院したり、窒息で救急搬送されたりすることいもなりかねません。
 「風邪ではないけれど、ここのところ喉の調子が悪い」などの訴えがある患者さんが時々おられますが、食事はちゃんと食べられているでしょうか?体重は減っていないでしょうか?
  誤嚥(飲食物・唾液などが食道ではなく気管に流れ込んでしまうこと)をさせないよう、上半身を倒さずリラックスした姿勢をつくること。口腔内にいかに水分を溜めないようにするか…など、治療中に対応できる事も多くあります。
 患者さんから相談があった場合や、診療中に気づいた場合、歯科医院としてアドバイスできる知識を身につけていきたいです。

        歯科衛生士 O


    デンタルハイジーン1月号

 「歯周病検査って何を調べているの?」
       を読んで

歯周病は歯に付着した細菌性プラーク(バイオフィルム)によって引き起こされる感染症です。
 歯周治療は原因であるプラークを除去し炎症をコントロールすることで歯周病を改善もしくはその進行を止めることが目標となります。
 定期検診に来られて一番最初に行う検査がプロービングです。プローブという目盛りのついた器具で歯周ポケットの深さを測り、ポケット底からの出血がないか調べます。それらの情報から①歯周病があるかどうか ②歯周病の程度 ③歯周組織の状態の変化を把握します。
 次に歯の動揺度をみます。歯周病によるものだけでなく咬合性外傷(過度のかみ合わせ力により歯周組織に損傷が起きること)によっても歯は動揺します。
 そしてプラークスコア(歯垢の磨き残しを表す指数)を調べます。どの歯に、どの部分に磨き残しが多いかなどがわかるのでプラークコントロールの指導に役立ちます。一般的に20%以下であればよく磨けていると判断されます。
 定期的に検査を受けてまずご自分のお口の中を知ることが大切だと思います。

          歯科衛生士K